れびゅ「機動戦士ガンダムUC」 ※激しくネタばれ注意!

木内ハジメ(デザイナー、イラストレーター)
オンラインゲームを与えないでください

##れびゅ「機動戦士ガンダムUC」 ※激しくネタばれ注意!

いやあ、長かったですね。長かった。僕が連載を読み始めたのが2007年からだったので、実に7年間以上もの付き合いでした。
2009年に小説が完結してから2010年にアニメ化の話が立ちあがり、実に4年もの月日を経ててアニメも完結。
エンディングは小説版を期待していた僕としては少し物足りない感じがありましたが、それでも十分に面白かったです。
それにしてもユニコーンの人気は凄まじかったですね。最終話の第7話が新宿ピカデリーで先行上映されてたので僕も足を運んだわけですが、満席御礼。どこもかしこもユニコーンファンでごった返しておりました。

ピカデリーの入り口にはフル・フロンタル専用の車が鎮座しておりました。
外装だけでなく、内装も凝った作りになっていて、めったくそかっこよかったです。
でもフロントガラスに堂々とブレードアンテナが張り付いていたので、多分公道は走れないでしょうね。いやもしかしたらあれはブレードアンテナに似せて作られたワイパーなのかもしれない。それなら公道を走れる!
まぁそんなわけはないですけど。
これが、その画像↓

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乗り回したい。。。かっこええ。。。
完全にシナンジュじゃないですか。

まぁそちらは置いておくとして、レビューをしなければいけないですね。

「機動戦士ガンダムUC」は、まぁ小説というか原作が果てしなく面白いんですけど、それを書いているのが福井晴敏その人なんですよ。
福井晴敏といえば「終戦のローレライ」が一番の名作なんですが、「川の深さは」とか「Twelve Y.O」「亡国のイージス」「ターンエーガンダム」(月に繭 地には果実)「6ステイン」「戦国自衛隊1549」「O.pローズダスト」「平成関東大震災」(これはちょっと微妙)とまぁヒット作をばんばん出している、今乗りに乗っている小説家ですね。
僕は「終戦のローレライ」が繰り返すようですが一番の名作だと思っているんですが、「機動戦士ガンダムUC」はそれに匹敵するほど面白いです。
アニメだけを観て完結させずに、アニメを面白いと感じた人は是非原作も読んでもらいたいですね。アニメの原作再現度は果てしなく高いですけど、やっぱり原作の迫力には敵ってません。

アニメで特筆して観て欲しいのは、モビルスーツの戦闘シーンですね。
3Dをほとんど使用せずに、ほとんどのシーンを作画で描いているんです。
さすがにNT-D発動は3Dで表現されてましたが、それも大変よく出来ていて、セルと見間違うくらいに自然な動きを再現していました。
作画でのNT-D発動もあるんですけど、これがまた凄い。
サンライズの本気を垣間見ました。さすがこれまでガンダムを作り続けてきただけあるな、と。
ユニコーンの暴走をバナージが押し込めているシーンの描写があるんですが、あれは3Dじゃ表現できない、作画独自のデフォルメが行われていて、もう感涙です。

感涙といえば、あのシーン。あのシーンが僕のユニコーンで一番感動した場所ですね。

ガランシェール隊のキャプテン、ジンネマンは連邦の「ガス抜き」で妻と娘を失います。
娘が生きていたなら、マリーダさんと同じ年頃だということもあり、ジンネマンはマリーダさんを実の娘さんに重ねて接していたんですよ。
まぁそこら辺を表に出さないのがジンネマンの男らしいところなんですが、アニメ6巻の終盤、モビルスーツハンガー。
連邦ではなくあくまでジオンとして、連邦の敵として、娘と妻を殺した連邦に対しての恨みを捨て切れずにいるジンネマンはジオンを制圧しようとするマリーダさんに「命令」を出します。
「いますぐコクピットから降りろ」。
マリーダさんはこれに従います。ミネバはジンネマンを制します。
するとジンネマンは「理屈では消せんのです」と語ります。
「恨みも、後悔も…。何も、してやれなかった…。怖かったろうに…。痛かったろうに…」。

隠し続けてきた心の内を吐露するジンネマン。そんなジンネマンにマリーダが言います。

「お父さん」

ハッとするジンネマン。
言葉を続けるマリーダ。

「わがままを、許してくれますか…?」

ジンネマンはその言葉に、何かが瓦解していくのを感じます。そして、葛藤の糸が切れたようにジンネマンは…。

「…………許す」
「最後の命令だ……。自分に従え…」

ここですよ! ここ! ここで僕は毎回涙腺が崩壊してしまいます。
ユニコーンの中でも最高のシーンです。何回見ても飽きないです。
背中がぞくぞくします。あそこの演出は本当に最高です。

総評として、「機動戦士ガンダムUC」(アニメの方)を評価するなら、100点満点で98点といったところでしょうか。
100点じゃない理由としては、リディ少尉がちょっとメンヘラ過ぎて気持ち悪かったし、なんか最後の良いところだけ持っていってしまった感がぬぐえないからですね。
あそこらへんが原作とは全然違うので、減点対象になってしまいました。
それでも98点はハイスコアです。
ちなみに今までのアニメで100点満点を取った作品は、今のところ「フリクリ」だけですね。 認知度が低い上にガンダムとはまったく無関係ですけどね。
ガンダム作品(アニメ)で最高得点を取っているのは「ポケットの中の戦争」の99点です。
僕の大好きなケンプファーが瞬殺されてしまったのが減点1点です。
もうちょっと闘って欲しかった。バーニィなんてただのザクでアレックスと互角に戦いましたからね。
まぁ、結末はあれですけど…。嘘だと言ってよバーニィ!

それではこんな感じでレビューを終わりにしたいと思います。
レビューになってるのか? これ。
いやでも一から十まで全部解説してたら本が1冊書けてしまえますからね。
ほんと、かいつまむ感じで抑えておこうと思います。
それではみなさん、また会う日まで。
アデュー!

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