れびゅ 『Knockin' on heaven's door』 ※ネタばれ注意

木内ハジメ(デザイナー、イラストレーター)
オンラインゲームを与えないでください

いやあ、この映画、ちょっと昔のドイツ映画なんですけど、それがすっごい痺れるんですよね。
知る人ぞ知る映画です。
タイトルはボブ・ディランの名曲「Knockin’ on heaven’s door」から取っていて、スタッフロールではこの曲が流れます。(カバー曲なのが少し残念なポイント)

あらすじとしては、頭にテニスボール大の腫瘍が出来て、あと数日も生きられるかどうか分からないマーチン。
骨肉腫の末期で長くは生きられない体のルディ。その2人が主人公になります。
2人とも死刑宣告を受けてしまい、落ち込みます。
病院の中で同じ病室に入れられた2人。
2人ともが死に近い存在であることを知った2人は、偶然病室に置いてあったテキーラ(ROTOって言うテキーラなんですけど、僕はこれが欲しくて欲しくて、ネットから酒屋から探しまわった思い出があります。結局見つからなかったんですけどね。)それを片手に静まり返った病院の厨房でレモンと塩を見つけて、テキーラをがぶ飲みします。
そして、死後の世界の話を始めます。
「今の天国では、海の話題で盛り上がっている。ばかでかい太陽が海に溶け込んでいく様子を語り合うのが流行っている」
ルディは言います「僕は、海を見たことが無いんだ」
「それじゃあ天国ではさびしい思いをするな」と、マーチン。
「どうすればいいだろう?」と困惑するルディに、マーチンは提案をします。
「2人で海を観に行こう」
そして盗んだ車で海を目指す旅に出ます。
その盗んだ車というのが実はギャングの車で、トランクには大金が入っていました。
怖いものなしの2人は、好き放題。やりたい放題で海を目指します。

ここから先は是非レンタルなり買うなりして観てほしいですね。
で、なんでいまさら「Knockin’ on heaven’s door」をネタにレビューを書いているのかというと、まぁ最近観直したから、っていうだけなんですけどね。
やっぱりあれは名作だった。

レビューっていうくらいだから、僕の感想みたいなものを書かなくちゃいけないですね。
僕はね、許せねェことがあるんですよ。
実はこの映画、日本で「ヘブンズ・ドア」っていうタイトルでリメイクされてるんですよ。
こいつが物凄い許せないんですよ。
監督はかの「鉄コン筋クリート」をアニメ化させたマイケル・アリアスだったから、ちょっとだけ期待してた んですけどね。
全然だめ。まるでなってない。
原作の「Knockin’ on heaven’s door」は、男同士の友情の話なんですよ。
それがどうでしょう。日本映画でリメイクされたら、主演はジャニーズだし男女のペアだしと。
分かってない。ぜんっぜん分かってない。
分かって無さ過ぎてもうマイケル・アリアスが目の前にいたらぶっころ(ry
その、元の映画が面白すぎる以上に感動したしで大好きな映画だったんで、もうあれは身もだえて血反吐を吐く勢いで観ていた感じでした。

しまったこれじゃあ「Knockin’ on heaven’s door」のレビューになってない。
「Knockin’ on heaven’s door」のレビューをしましょう。
この映画、上に記した通り、男同士の友情の話なんですよ。
なんというか、痛快な2人の快進撃みたいな映画なんです。
偶然に偶然が重なって、天国の扉を叩く2人がおりなすおバカムービー。
「もうどうせ死ぬんだから、好き放題やってしまえ!」っていう、今にも死んでしまうマーチンとルディの逃走劇。
この映画の面白いところは、「死」を「恐怖」とか「終末」とか、そういうマイナス方面に振っていないところなんですよ。
ギャングに銃を突きつけられながら、2人は大爆笑するんですよ。
「殺す? じゃあどうぞ。好きにしてください」っていうね。
で、ラストシーンですよ。
ようやく海に辿り着いた2人は、海を見に行く前にこういう会話をします。
マーチン「ルディ」
ルディ「なんだい」
マーチン「実は俺……」
ルディ「………」
マーチン「………」
ルディ「…分かってる。怖くないさ」

言わずもがなな、男の友情!
もう、最っっ高っ!
涙腺崩壊ですよ。
これが映画! これぞ映画!

そして、テキーラを片手に海へと歩いていく2人。
決して綺麗とは言い難い海を見ながら、マーチンが座ります。
ようやく海に辿り着いて、マーチンは気力が抜けてしまいます。
座ったまま倒れるマーチン。それを介抱することなく見つめるルディ。
そして流れてくるスタッフロールで「Knockin’ on heaven’s door」!!!
ああ!もう表現できる言葉が浮かんでこない!

最高でご機嫌な2人組に乾杯ですよ。酒だ!テキーラを持ってこい!

うおおおおおっ!

すいません。暴走してしまいました。
とにかく、非の打ちどころがない最高の映画だということを伝えたかった。

まだ観たことがない人は、是非とも観てほしい作品です。

次の「れびゅ」は何かアニメをレビューしてみようかなと思います。

それじゃあ、みんな! アデュー!

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